Briller日記

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マナーSST

こんにちは!
Futur職員の秋山です。

前回のブログで買い物・接客SSTの紹介をしました!
今回は、現在取り組んでいる『マナーSST(ソーシャルスキルトレーニング)』についてご紹介します!

社会において、自分も相手も快適に過ごすために守らなければならないのが『マナー』です。

マナーとは、人と人との関わりで当然その場面でしかるべきとされる行儀・作法のことを指します。これは他に見ている人が誰も居ない場合でも守ることが望ましい価値観であるとも言われています。
この目に見えない決まり事という曖昧さは、Futurに通う子供たちにとって難しい表現だと感じます。
そこで、今回のマナーSSTではまず「Futurにおけるルール」として実施し、最終的には「社会におけるマナー」に発展させていこうと考えました。
現在、Futurに通う子供たちは中高生。学校での集中作業や、就労事業所や企業への実習も控える彼らにとって、社会に出る日はそう遠くはありません。そんな彼らに、自分たちが過ごしやすい環境や人間関係を構築するために必要な能力を身に付けてほしいという背景から、マナーSSTに取り組むことになりました。

では、どのようなトピックを取り上げるのか。
曖昧な表現をどのような方法で子どもたちに伝えるのか。

職員同士の会話や日々の会議の中でよく話題に上がる課題を元に、主に3つのトピックに絞りました。

・男性と女性の距離感
お友達同士仲が良いのはとても良いことですが、大人になり社会に出るにつれて「適切な距離感」が重要になっていきます。例えば、楽しい気持ちから異性に抱き着いてしまったり、会話をするときに顔がとても近くなってしまったり、興味関心から相手の顔を触ってしまったりする場面が見られます。「友達」から「男女」への意識をするのは難しいですが、「触りません」という明確な表現や「適切な」という曖昧な表現を「視覚的な支援」を通して客観視し実際に体感してもらう機会を設けました。

・相手が不快だと感じていることに気づくのが難しい
社会において何か行動する際、自分の気持ちだけでなく相手や周囲の人の気持ちも考慮することは重要です。
学校から事業所に帰り疲れてしまうと場所を選ばず寝転んでしまう子も。そこで寝てしまうことで誰に迷惑が掛かっているのかを知り、「迷惑をかけずに休憩する場所」を選択する練習を、施設内の部屋を提示し○×クイズにして取り組んでもらいました。相手の不快に気が付かずに自分の気持ちを優先した行動に対して「相手の不快を知る」という機会を提供しました。また、たとえ友達同士でも(異性でも同性でも)他人に触れられることへの不快さを感じていることや、自分自身も不快に感じていることに気が付くことも重要だと再認識しました。

・中高生ならではの言葉遣い(暴言等)
スマホやタブレットで様々な動画配信サービスを利用できることで、不適切な言葉遣いを真似する子どもたちが増えてきました。中高生ということもあり上記のような言葉を使いがちな年頃であることも十分に理解していますが、場所や相手を考えずに使用してしまうことで実習先や勤務先で相手に不快な思いをさせてしまうことがないよう、使ってはいけない言葉を織り交ぜながら○×クイズにして確認しました。また、言い合っている人同士は遊びのつもりでもそれを聞いている第三者の人が不快に感じているという事にも気が付くことも重要と感じました。

当日は、スクリーンを使用しながら、事前に子どもたちと場面を想定した状況を撮影し、それをもとに○×クイズ形式で行いました。クイズだけでなく実際に子どもたちと一緒に「適切な距離感」を腕を使って体感したりしました。体感した児童からは「思ったよりも遠い!」と距離感を再認識している反応も見られました!また行為そのものの善悪の判断はついていても、実際の状況と一致していない子どもたちも多かったので、スクリーンの写真を客観視することで自分の行為に置き換えることができている様子も見られました!

マナーSSTを実施後は、「マナー」というワードが子どもとの会話の中で日常的に出現するようになってきています。
今後は、ロールプレイングや代替え案を一緒に検討するなど活動を発展させながら、さらに自身の行為に落とし込めるよう取り組んでいきます。子ども同士でも「マナー」という意識を少しずつ定着させながら、社会に出てからも他者と適切なコミュニケーションがとれるよう引き続き練習していきたいと思います!

行事の狙い

自分も相手も過ごしやすい環境や人間関係を構築するために必要な守るべき決まり事を理解する
・学童期から青年期への男女の距離感の変化
・他者の気持ち(不快感)への理解
・正しい言葉遣いと周囲への配慮